イケメンエリート、はじめての純愛⁇


映司は自分の事は棚に上げて、咲子にそんな質問をする。
キスなんて挨拶のようにできる男で、今まで付き合った女性も皆そんな感じで、なのに咲子に関しては寛容になれない。

映司は何も答えない咲子を切ない瞳で見つめた。


「キスは、17歳の誕生日に、その時の家庭教師の先生にお願いして、誕生日のプレゼントという事でしてもらいました。

その先生に誕生日に何がほしいって聞かれて、何となくキスって言っちゃったんです。
そしたら、そのまま何となく…」


映司は嫉妬という感情に支配される。
何年も前の話なのに、その先生とやらが羨ましくてたまらない。

咲子はそんな映司の気持ちも何も知らずに、デザートのソルベを嬉しそうにほおばっている。

映司はこの話はここで止めようと思った。
この凄まじい嫉妬の嵐に、今の映司はどう対処していいのか分からない。

映司はそう納得して他の話題に振ろうとしたその時、咲子がまたぼそぼそと話し出した。






< 64 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop