イケメンエリート、はじめての純愛⁇
咲子はハッとした顔で下を向いた。
映司はすぐにその表情に気づく。
「ダメかな?」
「明日、午後は用事が入っています…」
咲子の顔はすごく残念そうに見える。
まるで、私だって映司さんに会いたいのにと、訴えているように。
映司は自分のポジティブな性格が大好きだった。
「じゃ、夜は?」
映司がそう聞くと、咲子の表情がパッと明るくなる。
「大丈夫です!」
「じゃ、ちょっと遅いけど、七時半くらいの待ち合わせでいい?
あ、俺が、咲子ちゃんの事務所に迎えに行くよ」
咲子の表情が少し曇る。
でも、すぐに、はいと大きく頷いてくれた。
この時の咲子の表情が、映司の前途多難なこれからを暗示していているなんて、今の映司はこれっぽっちも気づくはずもなかった。