イケメンエリート、はじめての純愛⁇


「あ、あの、お会計をさせていただきたいなと思いまして。
それで、お店の人を探していたんです。
でも、どこにいるのか分からなくて…」


映司は咲子の挙動の理由が分かってホッとした。
最初は指輪か何かを落としてそれを探しているのだと思っていたけれど、観察していると明らかにそれじゃない何かを必死に探していた。

映司は、咲子を知るには100年かかると思った。
それくらい謎だし、興味深い。


「会計はもう俺が済ませてるから大丈夫だよ。
ほら、もう、帰ろう」


咲子は慌ててバッグから財布を取り出した。


「いえ、今日は、私の方で払わせてください。
も、もしよろしかったら、金額を教えていただけないでしょうか?」


映司は顔を真っ赤にして必死になっている咲子を見て、何だか胸が苦しくなった。

健気に自分におごらせてくださいと、EOCで働いている超高給取りの映司に対して、切々と訴える女性に今まで一度も会った事がない。




< 69 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop