好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
「そうだったんだ…なら、慧さんのお父さんは透さんにとって、お父さんみたいな存在なんだよね」
「そうだな…俺は家族というものを知らない。だけど、あの人達家族の仲の良さを見てたら、羨ましかった。そのくせ、実の親からの愛情なんて知らないから、誰も愛せないと思っていた。でも、お前に出会って、手放したくないと思うほどの恋を知ったら、俺にも愛情なんてものがあったんだと気がつかされた」
私の頬を撫で
「だけど、不安でたまらないんだ。いつか、俺の中の愛が覚めて愛梨を捨てるかもしれない。先に愛梨に見放されるかもしれないと思うと、1日でも早く形にしたい。お互いを結婚という形でしばらないと安心できないんだ」
「私の気持ちは変わらないよ」
「あぁ…、わかってる。だけど…」
彼の不安が消えるなら
「わかった。家に挨拶に行く時に婚姻届けを持って、お父さんに証人欄にサインしてもらおうね。それと、慧さんのお父さんにもお願いに行って、提出して来よう」
「愛梨…」
「慧さんのお父さんにもサインしてもらうんだから、離婚なんてしないよ。私が、透さんに飽きられるほど愛情を届ける。覚める暇なんてないぐらい幸せにする」
だから、不安になんてならないで…