好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
その理由は、[lodge]とは別に不動産関係の会社を経営しており、陸くんと奏多くんは、そこの社員らしいく、交代でlodgeを手伝っていると、奏多くんから聞かされた。
そして、上条さんの話にかわった。
事務所を伺いながら、コソっと耳打ちしだす。
「あの女の人の家、透さんに潰されたんですよ。愛梨さんに手を出そうとした彼女も、もう2度と姿を見せれない場所に連れてかれましたし、透さんにびびって、彼女の言う事を聞くような馬鹿な奴は、この街にはもういません。だから、安心して街を歩いてください」
…上条さんの話は、深く追求しない方がいい気がする。
「前も思ったけど、透さんって何者?」
「透さんは、ウルフって呼ばれてて、この街の男達の憧れだった人です」
得意顔だけど、いまいち伝わらない。
まぁ、いつか詩織さんに聞こうと思う。
「おい、何近寄ってるんだ?」
突然の冷ややかな声に奏多くんは身震いした。
「恐っ…嫉妬ですか?」
「なんか言ったか?」
爽やかな笑みを浮かべ近寄る透さんに、顔を引きつらせた奏多くんは、「奥行ってきます」と逃げて行った。
そして、背後から私を抱きしめてお腹を撫でるその手の上から、私も手を添えたら、初めて胎動を感じて2人で目を見張り、「動いたね」と微笑んだ。
子連れで結婚式を挙げる日を楽しみに、どうか、元気に生まれてきてくれますようにと願って、お腹を撫でたのだった。
〈END〉