好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
そう思いながら、何日も経たずにcafe[lodge]の前に来てしまった。
もちろん、彼に言われた通りの6時半過ぎに…
こういうところが重いんだろうな…と自覚できるようになっただけ進歩である。
だが、今までの性格がすぐに治るわけじゃないので、そこは反省する点だ。
薄暗くなった外で、店の前をうろついている。
こういうところも重いんだろう。
意を決して店のドアを開ければ、神崎さんが笑顔で「いらっしゃい」と言ってくれたことに嬉しくなる。
私ってちょろい…
だから、元彼に二股されるのか⁈なんて納得してる。
テーブル席には、やはり彼目当ての女性客が数人いるようで、私が入るなり観察されている気がする。
そんな空気のなか、彼は気がつかないらしく私にカウンター席を勧めた。
すると、後ろが少し騒ついた。
『なんで?』
『うそでしょ!』
目の前の光景が信じられないというような声だった。
私にすれば、ただ普通に席を勧めれただけなのに…彼女らが騒つく理由がわからなかった。
「今日は、どうする?」
「食事しようと思って…」
「おっ、それなら俺のお勧めにしなよ」
また、後ろが騒ついた。
「お勧めってなんですか?」
「できるまで内緒」