好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
また、あの日のように爽やかな笑顔で口元に人差しを立てていた。
あー、もう…その仕草たまりません。
後ろの女性客も、小さく「きゃー」と声をあげている。
神崎さんが、奥のキッチンへ行ってる間に、カウンターには、この間の奏多くんが立った。
「こんばんは」
「こんばんは」
「飲み物どうしますか?」
「うーん、食事後にコーヒーは飲みたいから、食事と一緒にアイス烏龍茶でも出せるかな?」
「大丈夫です。お冷を置いていきます」
冷たいお水の入ったグラスをコトンと置きながら、小声で「カウンターは、誰でも座れないんです。女性にとって特等席なんですよ」と…
なるほど、それで後ろの女性達の反応にも納得だ。
えっ、ということは?
なんですか?
その意味ありげなセリフは?
傷ついたばかりの私には、そうじゃなくても、勘違いしてしまいますよ。
ビシビシと背に突き刺さるような視線が痛くて、スマホを意味もなく見ながらお勧めメニューを待った。
「お待たせ…特製大人様ランチ」
オムライスの横に、大きな海老フライとスマイルカットのポテト、野菜サラダとココットに入ったマッシュポテト。デザートにプリン。