好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
「邪魔してないだろ。自分が悪くないのに、そうやって見たこと誤魔化そうするの直した方がいいよ」
なんて言っていいのかわからないんだから、仕方ないじゃない。
「ここで何しようとしてたか気になるんだろう?まぁ、見たまんまだけど…あの女じゃ、もう欲情しなくなったから、切ったんだ」
「切るって?」
「セフレ」
ショックだった…
「何人もいるんですか?」
「まぁ…そこそこ」
「……私もですよね」
聞かなきゃいいのに、聞いてしまう。
「…店のお客に手を出したのは初めて」
私の髪を一房つかんだそこに、キスしながら言われて、嬉しいかもなんて思う。
セフレなのに…
彼が掴んだ一房の髪が頬に落ち、その手で私の腰を抱いた彼の唇に、タバコが咥えられていた。
爽やかな顔の中に悪い男の顔を見せている。
その顔にさえ、かっこいいとトキメイている私。
重症だ…
「なぁ、名前呼んで」
「…かんざきさん」
「やっぱ、お前の声にゾクっとくる…食っていいか?」
うんと首を縦に振ると、甘いタバコの味がしていた。
そして、事務所の中に自然に誘われて鍵が閉まった。
お店にお客やスタッフがいるから、この間のように大きな声は出せない。