好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
「ソースついてた」
…恥ずかしい。
「あんなにキスしたのに、これぐらいで真っ赤になってかわいいね」
仕事中なのに、爽やかなイケメン顔から、チラッと悪い男の顔を見せる。
うわっ、なんなんだ…
「言ってくれれば、ソースぐらい自分でとれました」
それよりもだ、聞こえてないよね…
言った本人は、気にしてない様子だが、言ってもいないこちらが聞かれてないかドキドキして、後ろを気にしてしまう。
その様子を楽しむ神崎さんに気がつかずに、一人あたふたしていた。
「聞こえていないよ」
「もう、周りを気にしてください」
頬を膨らませ、唇を尖らせた。
その頬をツンと突き「ごめんね」と爽やかに笑った。
いやいや、その笑顔、絶対に悪いって思ってないでしょう。
でも、彼のこーゆー憎めないところが、人を惹きつけているのだろう。
自分だけが特別とは思わない(所詮セフレですから)。
けど、こんな風に他の人に触れたりもしているのかと思うと、モヤッとする。
彼女でもないのに嫉妬だ。
こういう感情が、重いんだな…
さっきのようなニアミスならいいが、彼が他のセフレといたしている現場を見てしまっていたら…
(まぁ、つい最近、そういう現場に出くわしたこともあるけど)きっとあの時のショックの比じゃない。