好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
オオカミの特別なセフレ
家に帰ると、悠梨がお風呂場から出てきた。
「お姉ちゃん、ご飯どうするの?」
「食べてきた。お母さんは?」
「受験生の娘置いて、近所の人達と遊びに行ったよ」
「あっ、そう」
「お父さんは?」
「知らない」
興味なさげに、強い口調になる妹。
高校生くらいの時って、私もお父さん嫌いだったから、その気持ちはわかる。
だから、これ以上なにも言わない。
「お風呂、お父さんが入る前に入っちゃえば」
「そうだね」
どうせ、誰かとお酒を飲んで帰ってきて、上機嫌で口うるさくなる前に、部屋に引きこもろう。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「なに?」
「明日仕事だよね」
そうだね、明日は月曜日だからね。
「そうだけど、何よ」
真っ赤にして「鏡見てきたら」と言い残し、バタバタと階段を上がって行った。
化粧を落とさないといけないし、鏡は見るわよ。
変な子…
そして、部屋に行き、着替える前に化粧を拭き取ろうと鏡を見た。
んっ…虫刺され?じゃないよね。
神崎さんが消毒と言って、キスして舐めた場所に…
き、キスマーク…
うわっ、隠れるかな?
なんて思いながら、彼からの初めての印に浮かれている。
セフレにキスマークなんて…