好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
今から行こうとしているそこは、夜景スポットと言われる場所で、カップルが夜景を見ながらいちゃいちゃするような場所だと私は認識している。
多分、この街に住む人全てが…
丘の最高峰に豪華なホテルが立っている…カップルズホテル、そこが最終地点だ。
なので、街でデートして、【フォルテシモ】もしくは、その周辺のお店でディナーを頂き、丘公園からの夜景を見てムードを作り、そのままホテルへGOという、デートなのだが、まぁ、よく聞くデートパターンだ。
そんなことを考えているうちに、車が夜景に向かって停車した。
「わー、綺麗」
キラキラと光る街のネオンと、星の見えない真っ暗な夜空に浮かぶ朧月の絶景のコントラストに、目が離せない。
「外に出て見てもいいですか?」
「寒いぞ」
「でも…」
折角の夜景なのに、フロントウィンドーのフレームが邪魔だ。
「その格好じゃ寒いぞ」
まぁ、今日は、ブラウスにプリーツスカートでの通勤服だからでしょうね。
「カーディガンを羽織るので少しだけ…」
「…お前がいいなら」
「ありがとうございます」
私は、はずんだ声で車の外へ出た。
うっ、寒…
カーディガンの前を抱きしめ柵ギリギリまで近寄り夜景を堪能していたら、真後ろから、突然のバックハグに、ドキリとさせられる。