好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
「ありがとうございます」
スツールに座り、温かいカフェ・オ・レだと思っていたら、スマイルした顔がアートしてあった。
「かわいい。牛乳でこんなことできるんですか?」
すごいすごいと、手を叩いた私。
すると男性は気恥ずかしそうに
「ちょっとした魔法を使っただけだよ」
「魔法ですか?」
「そう、温めたミルクに電動ホイッパーでちょっちょっと、後は、ステックにチョコでね」
電動ホイッパーを魔法の杖のように手で回して見せ、最後にウインクが飛んでくる。
爽やかなイケメンだから許される行為に違いない。
つい、見惚れて反応が鈍った。
…私を元気づける為にわざとおどけてくれたらしく、
つい、クスリと笑う。
「ありがとうございます」
「いーえ、どういたしまして…さぁ、、温かいうちに飲んで」
かわいいラテアートを壊すのは忍びないけど、この温かさが体中に染みていく。
そして奥から出してきた熱々のフォンダンショコラがカウンターに並ぶ。
「うわっ、大好きなんです。美味しいそう。いいんですか?」
「売れ残りのあまりで悪いけど、食べてくれると助かるよ」
きっと、違うんだろうな…