好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜

でも、追いかけてはくれなかったくせに…

「金曜は、悪かった。あの日、わざとお前に見せるつもりで女を呼んだ…女達とは、一線を引いて深入りしないようにしてきたのに、お前が相手だと、かまいたくって距離を保てない。俺はお前の扱いに困って…切ることにした。だけど、お前を抱きしめる陸を見て腹が立った」

『矛盾してるよな』って呟き、突然、

「…なぁ、俺を好きって言えよ」

頬を撫で艶めく声で囁いた。

震える唇…

好きって言っていいの?

私の唇をなぞる彼の指が、今か今かと待ち構えている。

彼のシャツを握りながら

「…す」

「んっ?」

「すき」

小さな声は確かに彼に聞こえたらしい。

くしゃりと笑う彼が、顎を掴んで

「ちゃんと言えた、ご褒美だ」

優しく唇が触れた。

チュッ、チュッと啄むキスは、甘酸っぱい。

「真っ赤になって、かわいいな」

そりゃ、真っ赤になります…

好きって言わされて、その揶揄うようなキス

めちゃくちゃ恥ずかしいんです。

「揶揄わないでください」

「悪いな…俺、今、めちゃくちゃ浮かれてる」

優しく髪を撫でる彼の手が、くすぐったい。

「このまま連れ帰りたい…来るよな」
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