好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜

透さんに誘われて、彼の部屋に向かうエレベーターの中で、防犯カメラがあるというのに…壁に背を押し付けられて、キスしようと覆いかぶさってくる。

「カ、カメラ」

「見えないから、大丈夫」

ニヤリと笑う悪い顔が、憎たらしい。

私が慌ててる姿を楽しんでいるのだ。

「見えなくても、何してるかわかりますよ」

「愛梨の蕩けた顔なんて、誰にも見せないから、もう黙って」

そう言うなり、上から唇を塞がれた。

まだ、いい足りない私の声が口の中でこもる。

口を開かされて、舌をねっとりとしつこく絡めて、口内を蹂躙する荒々しさに、膝が震える。

体を支えてくれる気はない彼に捕まっていないと、崩れ落ちそうで…必死にしがみついた。

それが、彼の狙いだったのかはわからない。

エレベーターが止まり、唇が離された瞬間、崩れ落ちそうになった体を、彼は咄嗟に抱き止め、ご馳走を前にした狼のように舌舐めずりをしていた。

弱らせた獲物を逃がさないように、私を抱き寄せた彼は、若干、早足で歩いて行くので、足がついて行くのに必死だ。

玄関に駆け込むように入り、靴を乱雑に脱いだ彼は、部屋までそのままの勢いで私を抱き寄せたまま連れて行こうとする。