好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
4章
忍び寄る悪意
どこかで鳴るアラームの音に目覚めるとベットには一人だった。
あれ?
まだ、半分寝ぼけた頭で鞄の中のスマホを探して、アラーム音を切った。
それから寝室から出たら、いい匂いが鼻をくすぐる。
「起きた?」
「…おはようございます」
「うん、おはよう」
作業していた手を止めて、私のところまで来た透さんが、おでこにチュッとキスして、ダイニングの椅子に座るようにエスコートしてくれる。
「起きれなくてすみません」
「いいよ。昨日は、疲れさせたからな」
半分寝ぼけてた頭も鮮明になって、ぼっと茹だる顔面で昨夜の事を思い出していた。
今までは、私の体力の限界近くまで、彼の思うまま翻弄されてきたけど、昨夜は違った。
こちらを気遣い、ゆっくりと時間をかけて何度も抱き合った。
そこに彼の愛はあったかは、彼しかわからない事だけど、好きと告白させられた私には、もう、気持ちを隠す必要がないからか、何度も『好き』と言わされて…
『愛梨、俺のこと好き?』
『好き』
『好きなら、できるよね…』
なんか、もう、肉食獣って感じで、
お腹いっぱい満たすまで、食べられた気がする。
だからか、彼は清々しい表情をしているのだ。