好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜
「あっ、それは偶然だったんです。詩織さんと待ち合わせをしていた場所に、慧さんがいて…その、待ってる間、呑むのをつきあってほしいって言われただけ…誓って、慧さんとは何もありません」
潔白を信じてほしくて、彼を見つめた。
「信じてる…愛梨は俺が好きなんだもんな」
クスリと笑い、手を伸ばしてきて頭を撫でていく。
そうです…好きです…大好きです。
恥ずかしさから撫でられた頭を、自分でまた撫でて揶揄う彼を見て拗ねたのだ。
「わかってるなら、聞かなくっていいのに」
「ふっ、やっと、敬語が取れたな」
「ごめんなさい」
「ほら、戻ってる」
「…ごめんなさ…ごめんね」
「まぁ、追追だな」
まだ、彼との距離感がわからないから、余計に敬語が取れない気がする。
そう思いながら、朝食を頂いたお礼にお皿を洗った。
着替えもメイク道具もない私を、彼が家と会社の間を送迎してくれると行ってくれたが、彼も仕事があるし申し訳ないので断った。
服はユニフォームに着替えるので昨日と同じでも問題ない。メイクも下の売り場でなんとか借りられる。
問題は、下着だ…
さすがに、同じ服で出勤して下着まで買ってる姿を誰かに見られたら…恥ずかしくてインフォメーションに立てない。