【短編】1冊のノートに彼の言葉
もうそれ以上、言葉が
出てこなかった。
得体の知れない感情が
私を支配する。
嬉しいけど気恥ずかしくて。
どうして彼のような人が
私に構うのかが分からなくて
苦しくて、でも幸せで
上手くその言葉を伝えられない。
だけど、言葉は分からないけど
思いは1つだった。
私も彼に早く会いたい。
光海「...そこで...
待っていてくれませんか?」
晴也「え?」
光海「30分で終わらせます。
...だから、私の事を待ってて下さい。」
晴也「うん、分かった。」
手元にある資料を
手早く処理していって
何度も何度も時計を見て
約束通り、30分で
終わらせる事が出来た。
やっぱり人は、楽しみがあると
何だって頑張れるんだ。
慌てて帰り支度を済ませ
会社を出ると、彼は本当に
私の事を待っていてくれた。