【短編】1冊のノートに彼の言葉

どれだけ悲しくても
私の日常は否応なく訪れる。
1ヶ月間、有給休暇を貰った私に
上司はそろそろ仕事に戻って
欲しいと懇願してきた。
1ヶ月間休ませて貰っただけでも
有難い事なんだ。

次の日から私は仕事に復帰した。
心の中には常に彼の事はあったけど
なるべく仕事中は考えないように
心がけた。それからしばらく経った
12月9日。忘れもしない。この日の事は。

定時で仕事を終え、携帯を確認すると
病院から何件も電話がかかってきていた。

何かあったのかもしれないと思い
電話をかけ直す事も忘れ
私は慌てて病院へと向かった。

ーウィーン

光海「すみません!
何度も電話をいただいていたのですが
香川 晴也に何かありましたか?」

看護士「香川さんは本日の午前中
意識を取り戻されました。しかし...」
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