【短編】1冊のノートに彼の言葉

美姫「光海、誕生日おめでとう。」

光海「ありがとう。」

美姫は5年前に結婚して子供を産み
つい最近、再雇用でこの会社へと
戻ってきた。

皆の時は流れている。
私、一人を除いては。

幸せになれよ。なんて言われても困る。
私の幸せは彼がいたからこそのもの。
それ以外の誰かとの幸せなんて
想像も出来ないし、したくもない。

生きているのかそうじゃないのか。
日本にいるのか海外にいるのか。
この街のどこかで笑っているのか
別の街で泣いているのかは分からない。

だけど、もしもどこかで元気に
暮らしているのなら
彼が今幸せを感じているのなら
それでいい。

だけど、もしも願いが叶うのなら
もう一度だけその姿を見たい。
元気な姿を見られるだけでいい。
幸せな笑顔を見られるだけでいい。
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