【短編】1冊のノートに彼の言葉
晴也のお母さんと会うのは8度目だ。
晴也が行方不明になってから
数日後、私の元をお母さんは
訪ねてきた。それが初めての出会いだった。
それから、1年に1回、晴也がいなくなった
12月9日にお母さんと会うようになった。
今年の12月9日はお母さんが
入院していたため、今日会う事になった。
光海「お待たせしてすみません。」
晴也母「寒かったでしょ?
ほら、これ。マフラー。」
晴也のお母さんは私の事を
娘のように可愛がってくれる。
晴也母「いつもの喫茶店でいい?」
光海「はい。」
ーカランカラン
温かい店内に入った私たちは
ホットコーヒーを注文する。
晴也母「まずは、光海ちゃん。
誕生日おめでとう。」
そう言ってお母さんは
プレゼントを渡してくれた。
光海「ありがとうございます。」
晴也母「光海ちゃんと初めて
会った日からもう7年も経つのね。
そんなにも時間が経ったとは
思えないわ。」