【短編】1冊のノートに彼の言葉

『合コンで綺麗な人に出会った。
些細な事にも感謝出来る綺麗な人。
石原 光海さん。でも、俺の事なんて
どうでもいいと思ってるだろうな。』

『光海さんと食事に行った。
勇気を出して気持ちを伝えたら
向こうも同じ気持ちだった。
やべ。どうしよ。まじ嬉しい。
これからもよろしく。光海さん。』

『光海と並んで歩く帰り道が
今の俺にとって一番幸せな時間。』

『初めての光海の手料理。
本当に美味かった。
でも、それよりも
また次も作るねって笑う
光海の笑顔が可愛かった。』

『光海と出会えて本当によかった。
毎日こんなにも幸せでいいのかな。』

『光海、いつもありがとう。』

どんな高価な誕生日プレゼントよりも
私にとっては価値のあるものだった。

ページをめくるたびに
その日の記憶が蘇る。
やっぱり私の隣には
今もまだ晴也がいた。

涙を流す私を見てお母さんは
強くその手を握り締めてくれた。

晴也母「光海ちゃんが晴也の事を
今でも大切に思ってくれてる事は
とても嬉しいわ。あなたが幸せなら
私は何も言わない。でもね、辛い時や
悲しい時、苦しい時はいつでも
私に言ってね。あなたのためなら
いつだってここに来るから。」
< 37 / 40 >

この作品をシェア

pagetop