【短編】1冊のノートに彼の言葉
そんな幸せな夢を見られたのは
枕元に彼の言葉があるからだ。
暗闇の中読み返す。
1冊のノートに書かれた彼の言葉を。
たった一言では伝わらない。
その言葉にどんな意味が
込められているのか。
でも、今なら分かるんだ。
そのたった一言を彼が
どんな想いで書いたのか。
新しい出会いは沢山あった。
幾度となく、告白もされた。
彼と私の今は決して
同時進行ではない。
だけど、私の時は彼と共に
歩んでいる事は確かなんだ。
もしも彼が私と同じ苦しみの中で
今、生き続けているのなら
忘れて欲しいとさえ思った。
私だけは忘れないから。
私にとっての全ては彼なんだ。
どんなに残酷な日々も
私は愛し続けられる自信がある。