恋愛零度。

待ち合わせ場所には、5分遅れで到着した。

路線図の見方がよくわからなくて、駅員さんに訊いたのにもかかわらず反対路線に乗ってしまうという基本的な失敗をしてしまい、大幅に時間ロス。

生まれて初めて、勉強しかしてこなかったことを後悔した。

やっとのことで待ち合わせ場所にたどり着いて、

「遅れてごめんね……っ!」

3人の視線が、私に集中する。

「意外ー。唯川さん、そういう服着るんだ」

と三好さん。

「個性派だねー」

と由良くん。

「うん。でも、かわいいと思うよ」

と桐生くん。

……でも?でもってなに?

三好さんは薄手のニットにショートパンツ。桐生くんと由良くんは、Tシャツにパンツに上着を羽織ったカジュアルな格好。
3人とも、気合いが入りすぎてないのに、なんだかオシャレだ。

それに比べて私は、1人だけ奇抜な格好で、かなり浮いてしまっている。そういえばあの店員さんの格好も、けっこう個性的だったことにいまさら気づいた。

か、帰りたい………!

「真白、なにやってんのー?」

桐生くんが笑って言うから、私は渋々顔をあげた。

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