恋愛零度。
やってきたのは、最近人気があるという室内遊園地だった。
「わあ、なにここ」
中心には大きなメリーゴーランド。そのまわりを囲うようにして、絶叫マシンやコースターやお化け屋敷など、様々なアトラクションが集まっている。
なんだかごちゃごちゃしていて、人の声や音楽が騒がしくて、私は落ち着かなかった。
「唯川さん、室内遊園地初めて?」
三好さんに訊かれて、私は苦笑いをする。
「室内どころか、屋外も行ったことないよ」
「ええっ、子どものときとか行かなかった?」
「うちの親、そういう場所嫌いだったから」
「じゃあ、学校の遠足とかは?」
「そういうときは、なぜか絶対熱出して休んでたんだよね」
「ああ、いたなあ、そういう子」
三好さんがけらけらと笑う。
「でも、今日は熱出なくてよかったよね」
さりげない一言が嬉しくて、私は「うん」と頷いた。