恋愛零度。
ガクン、と全身が揺れたかと思うと、一瞬にして、ゴンドラが上のほうまで上がった。
その先はーーもはやほとんど記憶にないけれど、上下左右わけがわからないくらい回転しまくり、脳みそがシャッフルされて、私はついに死を覚悟した。
ジェットコースターで死ぬなんて……
私はいままでなんのために勉強してきたんだろう……。
意識があったのは、途中までだった。
「大丈夫?」
目を開けると、真上に桐生くんの顔があって、
「わあっ!?」
びっくりして飛び起きた。
「…………?」
キョロキョロとあたりを見回すと、さっきの夢のような空間とは打って変わって、飾り気のない白い部屋のベッドで、私は寝ていた。
「ここは医務室だよ」
「えっ?」
混乱する私に、桐生くんがぷっと笑う。
「絶叫系でほんとに気失う人、初めて見た」
「き、気絶したの?」
「三好さんが救急車呼ぼうとして大変だったよ。とりあえず休ませておけば大丈夫だって」
「ご、ごめんなさい……」
来て早々、なにやってるんだ私……。