恋愛零度。
昔から、イベントごとになると、いつも緊張すぎてしまう。
もう小さい頃みたいに、熱を出すことはないけれど、結局、倒れて迷惑かけてるから、おなじことだ。
桐生くんが、ぽんと私の頭に手を置く。
「謝らなくてもいいよ。むしろ、俺は真白と2人になれてラッキーだし」
「…………!?」
「大丈夫、なにもしてないから。ただ寝顔見てただけ」
にっこりと笑って恥ずかしいことを言う桐生くん。
「そ、それも嫌だ……!」
あはは、と笑う声に、私はなんだか気が抜けてしまった。
「あの、三好さんたちは……」
「さあ?」
「さあって……」
「心配しなくても大丈夫だって。ていうかいま、心配されるのは真白のほうだしね」
「う……たしかに」
まったくの正論に、返す言葉もなかった。