恋愛零度。
「じゃあ、その子が、親友を裏切って、好きな人とコソコソ会うような子だと思う?」
桐生くんの言葉に、今度ははっきりと首を横に振った。
まだ、仲良くなって短いけれど、2人が仲良しでお互いのことが大好きなのは、すごく伝わってくる。
だから、渡辺さんが、友達が悲しむようなことをするなんて、どうしても信じられないんだ。
「あっ」
私は三好さんの話はたくさん聞いていたけど、渡辺さんの口からは、まだなにも聞いていない。
はじめから、由良くんの話にはあまり乗り気じゃないみたいだった。一緒にお弁当を食べていても、なんだかよそよそしい感じがして……。
ーー本当はわかってたんだ。亜由が、なにか隠してるんじゃないかって。
渡辺さんはなにか、言えなかったことがあるんじゃないのかな。
本当は言いたいのに、言えなくて、悩んでいたとしたら……。