恋愛零度。

「2人には言ってなかったけど、由良くんとは同じ中学で、3年のとき、おなじクラスだったの」

昨日はクラス会で、あの場所で待ち合わせをしていたのだと言う。

「私と由良くんが最初に来てて、それで少しだけ、話してたの」

「えっ、それだけ……?」

「それだけだよ。その後すぐに、他の子たちとも合流したし」

渡辺さんは、きっぱりとそう言った。

でも……

「なんでそのこと、いままで言わなかったの?」

知ってたら、誤解することもなかったかもしれないのに。

「……じつはね、中学のとき、ちょっとだけ、由良くんのこと好きだったんだ」

渡辺さんは、言いづらそうに、そう打ち明けた。

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