恋愛零度。

話してるうちに、チャイムが鳴って、午後の授業が始まる合図が聴こえたけれど、なんとなく、そこから動く気になれなかった。

私たちは顔を見合わせて、くすりと笑った。

「……初めて授業サボっちゃった」

「うそ、唯川さんまじめー」

チャイムが鳴り終わったとき、渡辺さんが言った。

「明日、千夏ちゃんに話すよ。由良くんのこと好きだったことも、いまは応援してるってことも、全部、隠さないで」

よかった、と心から思いながら、私はうなずいた。


< 165 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop