恋愛零度。
話してるうちに、チャイムが鳴って、午後の授業が始まる合図が聴こえたけれど、なんとなく、そこから動く気になれなかった。
私たちは顔を見合わせて、くすりと笑った。
「……初めて授業サボっちゃった」
「うそ、唯川さんまじめー」
チャイムが鳴り終わったとき、渡辺さんが言った。
「明日、千夏ちゃんに話すよ。由良くんのこと好きだったことも、いまは応援してるってことも、全部、隠さないで」
よかった、と心から思いながら、私はうなずいた。