恋愛零度。



はあ、と吐く息が白い。風が頰を切るように冷たくて、痛いくらい。

そんな寒空の下でお弁当を食べているのは、私たちくらいかもしれない。

「……真白」

桐生くんが、ぶるっと肩を震わせながら言う。

「あのさ、さすがに、真冬は外で弁当食べるのきつくない?」

「そう?私、寒いの平気だから。ほかの場所で食べたかったら、好きにして」

「冷たいなあー」

と言いながらも、頑として動こうとしない。

「じゃ、私、勉強したいから、もう行くね」

お弁当を食べ終えてすぐ、私は立ち上がって言った。

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