恋愛零度。

「真白、着いたよ」

「……うん」

昔、ここに入院していたことがあるらしい桐生くんは、勝手がよくわかっているらしい。

もう昼間の面会時間は終わっていたから、裏口にまわって、時間外受付のチャイムを押す。

「1時間ほど前にここに運ばれた唯川さんの面会に来たんですけど……」

『はい。いま開けますねー』

ガチャン、と看護師さんが中から扉を開けてくれる。
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