恋愛零度。

動揺を隠せない私を無視して、お姉ちゃんは淡々と続けた。

「本田くんが入院してたのは1ヶ月くらい。その間、私は何度か病室に行った。そのとき、同室だったのが、あの桐生蒼よ」

「奏多と、桐生くんが、知り合い……?」

「彼ととくに話したことはなかったし、雰囲気も随分変わってたから気づかなかったけど、間違いない」

お姉ちゃんは確信した声でそう言った。

こんな偶然、あるんだろうか。

偶然、奏多のことを知っている私たちが同じ学校で、偶然、桐生くんが私に近づいてきて……

本当に、偶然なんだろうか?





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