恋愛零度。

「……奏多はどこにいるの?」

私ははっとして、お姉ちゃんに詰め寄った。

「ねえ、お姉ちゃん、知ってるんでしょ?」

「知らないわよ」

お姉ちゃんは言った。

「あんただって知ってるでしょ。中学卒業と同時に、奏多の家は引っ越した。私はもう関係なくなったから連絡もとってないし、引っ越し先も知らない」

「関係ないって……幼馴染でしょ。病気のこと、心配じゃなかったの?」

ーー困ったことがあったらいつでも呼べよ。

ーーそんな奴ら、ボコボコにしてやるから。

いつも一緒にいた2人。

2人がそばにいてくれたから、頼もしかった。臆病で弱くてひとりではなにもできない私でも、毎日学校に行って、頑張ろうって思えたんだ。

いつしか離れ離れになってしまっても、お互いが思い合う気持ちは変わらないって、ずっとどこかで信じていた。

信じていたかったのにーー。

「ねえ、お姉ちゃん、どうしてそんなふうになっちゃったの……っ!」

私はお姉ちゃんの肩を揺さぶった。

ねえ、なんで……?

関係ないなんて、どうしてそんなことが言えるの。

私はこの3年間、奏多に会いたくてたまらなかったのに。
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