恋愛零度。


部屋に戻ってもなにもやる気がしなくて、ベッドにゴロンと横になった。


『ーー真白』


霧のなかから、そう呼びかける声は、よく知っている声だった。

その姿がだんだんはっきりしてきて、でもそれを認めたくなくて、私は押し出すように、布団に潜り込んだ。

……なのに、消えてくれないんだ。


どうしてこんなときに浮かぶのが、君の顔なんだろう。


『俺は真白が好きだよ』


あの言葉は、嘘だったのに。

本心から言ったわけじゃなかったのに。

どうして馬鹿みたいに真に受けて、助けを求めてしまうんだろう。

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