恋愛零度。



「……嘘でしょ」

お姉ちゃんは唖然として言った。

私は無言で首を振った。

本当は、言いたくなんてなかった。

口に出せば、認めてしまうことになるから。

だけど、私が認めても認めなくても、その事実は変わらないから。

奏多はもう、この世界のどこにもいないってことはーー。

「桐生くんがそう言ったの……?」

私は、こくんと頷いた。

「そう……」

その辛そうな表情から、中学卒業後のことは本当になにも知らないのだとわかった。
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