恋愛零度。


君の目が、まっすぐに私を見つめる。


「好きだよ、真白。いつからか、もうずっと前から、真白は僕にとって、気になって仕方ない女の子だったんだ」


「桐生くん……」

私は、涙があふれるのを堪えられなかった。

堪えなくてもいいと思った。

ときどき君が見せる涙。その理由がわからなくて、でも、踏み込んじゃいけない気がして、訊けなかった。

でも、いまなら、その理由がわかる。

その気持ちが伝わったからーー、

こんなにも愛しくて、その気持ちごと、一緒に抱きしめたくなったんだ。

「笑ってって言ったのに、また泣いてるし」

桐生くんがふっと微笑んで、私の濡れた頰にそっと触れる。

温かい手。こんなに冷たい場所にいるのに、君の手はいつも温かくて、ホッとして。

それはきっと、君自身が持つ温度なんだね。

「……うん、また、泣いちゃった」

泣きながら、私は笑った。


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