恋愛零度。



散歩から帰ったら、宿題と明日の予習をやって、それが終わったら夕食の時間。

テーブルに並ぶ色鮮やかな料理を、お母さんとお姉ちゃんと私で囲む。今日のごはんは煮込みハンバーグ。ふわりと濃厚なソースの香りが食欲をそそる。

お母さんは仕事、受験生のお姉ちゃんは勉強と、なにかと忙しいけれど、夕食は基本的に、3人そろって食べることになっている。

「お母さん、来月から新しいプロジェクトに参加することになってね。しばらく忙しくなるから、遅くなる日もあると思うわ」

お母さんが早口で言って、私は「わかった」と頷く。

「でも、帰って来られる日はなるべく早く帰るようにするからね」

それからお母さんは、その新しいプロジェクトについて、新しいシステムがどうのこうのと話していたけれど、文系の私には難しくてよくわからなかった。

逆に、苦手なジャンルなんてひとつもなさそうなお姉ちゃんは、ふんふんと興味深そうに聞いていたけれど。
< 3 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop