恋愛零度。
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テストの結果が、全教科返ってきた。
「わ、すごい、唯川さん、やっぱ頭いいーっ!」
ごく普通に振り返って私の答案用紙を覗き込む三好さん。
「……全然、よくないよ」
「え、その点数で?あたし、その半分もないけど?」
全然、よくない。最悪だ。
普段なら絶対に間違えない単純な問題でのケアレスミスがいくつもあった。
平均点よりは上だし、普通に見れば、全然「いいほう」に入るんだろう。
でも、それじゃダメなんだ。
だって私は、勉強しか取り柄がないんだから。
ほかにはなにも、持っていないんだから。