恋愛零度。

休憩時間ーー、

「あ、唯川さん」

と三好さんが振り向いて言った。

「順位張り出されたみたいだよ。ま、いつも通り、唯川さんがトップだろうけどー」

テスト結果が返ってくると、順位が廊下に一斉に張り出される。個人の順位はちゃんとひとりひとりに配られてわかるから、私はいつも見に行かないんだけど。

「今回は、あんまりよくなかったから」

「えー、そんなことないって。見に行ってみようよ」

「う、うん……」

押されて立ち上がるけれど、あまり気が進まなかった。

昇降口には、続々と生徒たちが集まっていた。

おそるおそる掲示板を見上げて、私は目を見開いた。
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