恋愛零度。

それなのにーー、

いま、私は君の手をとって、予想外のことをしようとしてる。

心のなかの抵抗を押しのけて、その手に引っ張られながら、私の知らない場所に行こうとしてる。

いつもと違う帰り道。

行き先さえわからないのに。

君の力強くて温かい手に引かれていれば、不思議と不安はなかった。

それどころか、わくわくすらしているなんて……

自分じゃないみたいだ。

< 69 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop