恋愛零度。
「これが私のなかのベストショット」
私はスマホを取り出して、マロンの画像を開いて見せた。
「かわいい。目がくりくりしてる」
と桐生くんが微笑む。
「でしょ?」
「いいなあ、マロン」
「マロンが?」
「真白に可愛がってもらえるから」
「なにそれ」
桐生くんがおかしなことを言いだすから、私は思わず吹き出してしまった。
「まあ、それは冗談だけど」
「冗談なんだ」
「マロンの話してるときの真白、すごくいい顔してる」
「えっ?」
私は思わず、意味もなく自分の顔を触った。なんだか少し、火照っている。
「ほんとうに大切にしてるのが伝わってくるよ」
「マロンは、私の宝物だから」
私はそう言って、微笑んだ。
大げさじゃなく、本当に、かけがえのない家族だって思っている。