恋愛零度。
お母さんの遠慮のない荒々しい言葉が、私の胸にグサリと突き刺さった。
たしかに、テストの順位が下がった。夕食の支度だって、頼まれてたのにできなかった。
だけどーーー
いつだって、私は言いつけをちゃんと守ってきた。
お母さんの望むように、いい子でいようとしてた。
それなのに、たった1回、たった1日、できなかったことが、そんなに悪いことなの?
私は、うつむいたまま、目に力を入れて、泣きたくなるのをぎゅっと堪える。
ついさっき、見上げた夕焼け、光を浴びた黄金色のシャワー、繋いだ君の温かい手……。
脳裏に刻んだ美しい記憶が、お母さんのヒステリックな声に黒く塗り潰されていく。