恋愛零度。
「うまっ!なにこのシュウマイまじうまっ!」
う、うるさい……。
私は耳を塞ぎながら、さらに少しずつ距離を離す。
桐生くんといい、ここってもしかして、変な人の出没地帯?
「あーちょっと満たされたわ。助かったよ」
そう言いながら、彼はなぜか私の隣に座った。
「お弁当を忘れたなら、こんなところにいないで購買に行ったほうがいいと思いますけど」
「あーまーそうだよねー、たしかに!」
と言いながら、動こうとしない。
「あの、私になにか用が……?」
もしくは、暗に私にどけと言っている?
「いや、べつに?君、けっこうかわいいねー」
「…………」
……だめだ。桐生くん以上に、なに考えてるか全然わからない。