恋愛零度。



「なんか、不思議な組み合わせだよねー、あの2人」

と、三好さんが笑いながら言った。

「うん、たしかに……」

お互い自由人というか、好き勝手生きてそうなところは似てるけど。

「じつはね、あたし、由良くんのこと、好きなんだよね」

三好さんが声をひそめて、そんなことを言った。

「えっ!?」

「それで、亜由に頼んでこっそり後つけてみたら、唯川さんと桐生くんもいて……邪魔しちゃったよね」

「いや、それはいいけど……」

むしろ、どの辺りを好きになったんだろう?

だって、どう見てもチャラいし、適当だし。

挨拶レベルでかわいいとか言ちゃう人だよ?

誰を好きになるかなんて、その人の自由だし、私に止めることなんてできるはずもないけど……

「だから、唯川さん」

三好さんが、期待に満ちた目で、ガシッと私の肩を掴んだ。

「お願い、協力、してくれるっ!?」

「………うん」

そんな目で言われたら、断ることなんて、できなかった。







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