恋愛零度。

「てか、俺、好きな子に何度も振られてるし?」

「い、いまそれ言う……?」

「あはは、だって事実だし」

「…………っ」

ずるいなあ、と思う。本当に、ずるい。

このタイミングで、そんなこと言うの。

だけど……

私は君に、絶対に好きにならないとまで言ったんだよ。もう話しかけないでとも言った。

それ以外にも、きっと、ひどいことをたくさん言った。

きっと、その度にたくさん傷つけた。

それなのに、君は相変わらず私のそばにいて、笑いかけてくれる。こんなふうに、優しい言葉をかけてくれる。

そんな君に甘えてしまう私は、もっともっと、ずるいのかもしれない。
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