恋愛零度。

「真白はどうしたい?」

と桐生くんが問いかける。

「三好さんの気持ちを、応援したい?したくない?」

「それは……」

その答えは、簡単だった。

「もちろん、したいよ」

結果がどうなるかなんて、わからない。

でも、きっとそれは、誰にもわからないことだから。

私が三好さんが傷つくのを想像して、勝手に不安がるのは、違うと思った。

だったら応援したいって、素直に思えたんだ。

「よし、じゃ、誘ってみるか」

桐生くんが制服のポケットから、おもむろにスマホを取り出して、電話をかけはじめた。

……え、いま!?

「あ、由良?あのさ、今度、真白と三好さんと一緒に遊びに行かないかって言ってるんだけどーー」

うん、わかった、と短いやりとりをして、通話を切った。

桐生くんがにっこりと振り返って言う。

「いいよだって」

……軽っ!

たった数秒でデートの約束が決まってしまったことに、私は動揺を隠せなかった。
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