君との恋はあたたかいものだった。
~愛奈side~

 いつもは会話が途切れないから、変な感じがする。奈緒、怒ってるよな……。やっぱ自分から謝らなきゃ……!
「あの、奈緒。ごめんね。感情的になったりして。奈緒がちゃんと考えてくれてたって知ってるから。あのときはまだ、整理できてなくて……。ホントにごめんなさい!」

「こっちこそ!愛奈が傷つくって知ってたのに……。ごめんね?」
 ううん。奈緒は悪くないよ。ちゃんと教えてくれた。でも……。
「あのね、私まだ、諦められない。だから、私のほうみてくれるように頑張る!」
「……そっか。うん。でもさ、翔は?いいの?」

 しまった!翔に告白されたんだった。
「翔は、ホントにいいヤツだと思う。けどさ、ここで翔に頼ったらダメでしょ?翔にも悪いし、私自身も嫌だから。」
「分かってんじゃん。愛奈がそう言うんなら応援するよ。なんかあったらすぐいいなよ?」
「ありがと。」

 ちょっと照れたけど、思ったことは言葉にしなきゃ分かんないから。チラッと奈緒のほうをみると、顔が少し赤くなってる。クスッと笑うと気付かれた。

「ちょっとちょっと~。何笑ってんのかな?愛奈ちゃん?」
「いえ。別に笑ってませんけど。」
 顔を見合わせて、同時に吹き出した。もう少し、この恋を頑張ろうと思った。
 けど、やっぱりこの恋はしたらダメだったんだ。諦めなくちゃいけない恋だった。
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