君との恋はあたたかいものだった。
 2人が帰った後、舞斗にメールをだす。
[あのさ、私が好きなら彼女と別れて。]
 すぐに既読がつく。なんて言われるかわからなくて、私の心臓はうるさいほどにドクドクと動いていた。
[考えるね]
 考えるって何?なんで私に興味が無いくせに、そうやって思わせぶりな態度をとるの?
[じゃあ私、舞斗のこと諦める]
[それは愛奈が決めることだから]

 最初から言ってよ。私のこと遊びだって。早ければ早いほど、私は傷つかなくてすんだのに。なんて他人のせいにするのが私の悪い癖。知ってた。彼女がいるって分かったときから。勝ち目が無いことくらい。あなたの目には萌香ちゃんしか映っていないことくらい。それを理解した上で私は、舞斗との関係を断ち切れないでいたんだ。

「ホントにバカだなぁ。私って。」
 思わず自分で笑ってしまうくらい惨めだ。
「でも、このままじゃいけない。」
 もう決めたから。
「このままこの関係をズルズル引きずるのは。」
 自分でしたことくらい自分で終わらせる。

 この恋を終わらせるのは、紛れもない私自身。
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