オトナの事情。
『天涯孤独になった私は天王寺家に引き取られて、本家とは遠いお家に置かれることになった。広いお家に、ばあやと私、2人っきりで暮らしたの。毎日色んな先生が来て、色んなことを教わった。欲しいものをばあやに言えば、次の日には家に届いた。10年以上、そこから出たことなかったわ。…でも、私は幸せだった。何不自由なく暮らせたし、外の世界に残した大切なものなんて、無かったから。』
いつだったか、コンちゃんが読んだ公式プロフィールに、学校に行っていなかったと書かれていたな、なんて思い出す。
『ばあやが亡くなったのが、私が16の時。最後までパワフルに生きて、悔いはなかったと思う。
…それから私はこの家をもらった。一人ぼっちでやることもなくなった頃、デビュー前のBLUEをテレビで見たの。私は画面の中のBLUEに会いたくなって、芸能人をやることに決めたんだよ。』
そしてルナがデビューしてから21になった今までの経緯は、日本中が知っている。
美しすぎる外見と、どこか浮世離れした純粋さと、幸せいっぱいのその笑顔で、あっという間にスターダムを駆け上がり、誌面から飛び出してテレビの世界へもやって来た。
その愛らしいキャラクターで一躍人気者になって、今の、俺とのドラマに至るわけだ。