オトナの事情。





楽屋に戻ると、先に戻っていたルナが飛びついて来た。



『お疲れ様!』


「ごめんね、無理言って来させて。」


『ううん、生で聴けて良かった~!』



そう言って笑うルナの目は、少し赤い。



「あー!るーなちゃん泣いたやろ~」


「そりゃ泣くよね~あんなん聞かされたらね~」



メンバーに指摘されて、バレちゃった~なんて舌を出す。


俺だって気付いていたけど、やっぱりちゃんと、言葉で聞きたくて。






「…どうでしたか?」


顔を覗き込むと、


『…泣けました。』



そう言って俺の首に腕を回して、照れ隠しのキスをする。






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